私はこの展示のグラフィックデザインを、コンセプト作りから制作まで担当しました。展示の内容とその歴史的意義を改めて理解することから始め、ビジュアルリサーチを行って、このダークな時期を最もよく表現するスタイルを探しました。
展示のロゴや、入口横のパネルには、20世紀初頭のドイツのグラフィックデザインを参考にして、少し棘のあるフォントやカラースキームを取り入れました。
展示全体を通して、緊張感を出すため、コンデンスフォントを使用したのですが、暗めのギャラリーの中でも読みやすいタイプセットを心がけました。
プライマリーカラーには、戦時というテーマを象徴するような濃い緑色を採用。主に暗く、くすんだ色で構成されたカラーパレットの中に、ホロコースト時にユダヤ人に強制されたダビデ星に使われていた黄色を導入しまし、ナチスのプロパガンダと迫害がメインの展示のなかにユダヤ人の存在を認識できるようにしました。