04.
脚本, ディレクション, ポストプロダクション
現代のSNSへの執着という現象を取り上げた、ショートフィルムを制作しました。
3分間のショートフィルムである“thoth” (トート)は、SNSで昔の恋人の動向を追うことをやめられない主人公が、どんな質問にも答えてくれるという謎のアプリにテスターとして選ばれる – という物語です。
1.ショートフィルム
まずは脚本の制作から始め、次にキャスティングとクルーメンバーへの役割の割り振りをして撮影に臨みました。前もって準備したストーリーボードやショットリストを元に、現場でのディレクションを行い、ポストプロダクションで編集、カラリング、ビジュアルエフェクト、音楽の追加編集を行いました。
脚本は、SNSをから離れられなかった時期の自分自身の体験が基になっています。書き始め当初は、ネットフリックスシリーズのブラックミラーのような、考えさせられるストーリーを書きたいという考えしかありませんでした。
いくつかの全く違ったアイデアを試した末、自分自身の体験を元にすることに決め、それを当初のアイデアと掛け合わせて物語を作りました。何度かの直しを経て、3分間のフィルムのための脚本が1ページの5ページで書き上がりました。
脚本を基に、ストーリーボードを作成し物語の進行を視覚化しました。各シーンで表現されるべき内容を最大限に引き出すため、フレーミングやショットタイプを慎重に考慮しました。
撮影日は1日半と限られていたため、これらの詳細をショットリストにまとめ、撮影日のショット順を計画したものを事前にキャストとクルーと共有し、円滑な撮影を行えるような準備を行ました。
物語内では、主人公が不気味で怪しいアプリを使用するため、やや暗くミステリアスなビジュアルトーンを目指しました。
カラーコレクションでは、最初はニュートラルなトーンを採用し、物語が奇妙な展開になるにつれて徐々にオレンジ色のトーンに移行させました。カラーグレーディングでは、低いコントラストと少し掠れたようなフェードフィルターを加えて不気味な雰囲気を演出しました。
主人公が見ている画面を示すために表示されているスマートフォンの画面は、AfterEffectsで別に作成しました。この ”アプリ” のビジュアルデザインは、その怪しさを強調するため意図的に雑に作られています。
主人公の顔が劇的に年を取るシーンの作成は、まず、主人公が劇的に年を取ったことに気づく各フレームを静止画像としてエクスポートし、その後、老化フィルター機能のある写真編集アプリを使用して、各画像を加工し、それらを動画として再編集 しました。
このプロジェクトでは、コンセプト作りから完成まで一通りを行い、脚本作成と撮影後の編集は一人で行いましたが、撮影時はプロダクションメンバーをディレクターとしてリードする経験もできました。
制作を通じて、チームで協力して効果的に働くスキルと魅力的なストーリーを創作するスキルを発揮する機会となりました。
これらのスキルや経験は、他のエリアのクリエイティブプロジェクトにおいても活かしていきたいものになりました。
制作年: 2023年クライアント: N/A (自主制作)クレジット: Sofia Gargantini, Vlad Raikhberh, Daniel Gönczy, Delicia Goh, Tien Duc Funk (プロダクション)Filippa Rube, Errore Stangoni, Tai Terada (キャスト)
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